今年3月に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故によって傷ついた〝自分たちのまち〟を作り直そうという力の入った作品、全217 作品が寄せられました!
どの作品にも子どもたちが「こうあってほしい」「こうじゃないと困る」という夢や希望があふれています。応募してくれたみんな! 本当にありがとう!!!
子どもたちが描いてくれた絵をすべて実現させるのは難しいのかもしれないけれど、無限のアイディアがあればきっと未来を切り開いていけるはず!私たち大人も協力して、夢や希望あふれる〝みらいのまち〟を一緒に作っていきましょう。
総評
『総評』 審査委員長 スズキ ヨシカズ
11月23日水曜日勤労感謝の祝日、福島市の山川印刷所において「ふくしま企画工房」スタッフ立ち会いのもと、スズキヨシカズと齋藤ナオによる『みらいのまち絵画コンクール』入選入賞審査会が行われました。
月並みな言い方ですが、どれもが素晴らしい作品ばかりで審査には沈黙と饒舌の長い時間を必要とし、応募総数217作品中80作品が入選を果たしました。
当初予定されていた上位入賞は、『最優秀賞』1点と『優秀賞』3点の4作品のみでしたが、急きょ『準優秀賞』1点が追加されることになり、低中高の各学年で受賞する『金賞』『銀賞』『銅賞』の9作品と、『特別賞』の21作品を合わせると35作品の受賞が決定しました。
『みらいのまち』と募集テーマを定めていても、子供たちが描いてくれた絵は三つの傾向に別れていたように思います。
- 一つ目は『現実の町』:町を元通りの姿に戻したいという願望、あるいは記憶の中に残る町の姿。
- 二つ目は『空想の世界』:ヒトのカタチをした生き物ばかりではなく不思議な生き物たちが共存し、魔法によって様々な問題が解決される夢の世界。
- 三つ目は『未来の世界』:しかしその世界は完全に頭の中だけの想像の世界ではなくて、ヒトの科学力によって裏付けされた実現可能な未来の世界。
それらの絵の内容についても、『今だから描けるモノ』『今だから考えついたモノ』が数多くあったのは確かです。それらは僕たちの心に何だかの『しるし』を残してゆきました。けれど、それ以上に『かわらないモノたち』が変わらない形で、静かに、けれどしっかりと存在してくれている絵もたくさんあって、(子供たちが何気ない当たり前の日常に目を向ける心の余裕を持ち続けてくれているコトを知らせてくれる絵もたくさんあって)、とても嬉しく感じたのでした。
全ての作品たち一枚ずつにコメントを付けて紹介できたら、皆さんにもっともっと伝えられるかもしれないなと思うのですが、ここでは優秀賞の5作品についてのみ紹介させていただきます。
『最優秀賞』 『準優秀賞』
『最優秀賞』高橋雄太朗さん(3年)の作品と『準優秀賞』甑 翔さん(6年)の作品について審査員の間で意見の相違はなかったものの、最後の最後まで「どちらをどちらに?」と決めかねた二枚でした。
高橋さんの作品は宇宙がテーマになっています。地球からのびる回廊によって地球は様々な惑星と繋がっています。「僕たちはこの広い宇宙の中にあっても孤独ではないんだ!」この絵はそんな近くて遠い未来の『夢』を僕たちに見させてくれます。
甑さんの作品は咲き誇る桜の木を背の高い建物のシルエットが取り囲み、その桜の花を一人の子供が(甑さん自身でしょうか?)見上げているという緻密に計算されたかのような素晴らしい構図で全てが描かれています。建物の窓には、暖かな生活の灯りも人々の影も見えません。けれどそこに悲観的な空気は流れていないのです。そこに存在するのは力強い生命力です。この絵は僕たちに『希望』を連想させてくれます。
そんな二つの作品に共通するのは、『未来へと繋がる命』です。この二枚の絵の中には『僕たちの未来』が存在しているように思えるのです。
『優秀賞』
猪俣慧斗さん(3年)の絵は、とても大切な気持ちを僕たちに伝えてくれます。『優しさ』。この絵の中に満たされている優しいモノたちが、僕たちの心をほんのりと温かにしてくれます。
伏見空翠さん(6年)のシンプルな構図ながらも色鮮やかにリズミカルな絵は、まるで問題解決の『設計図』のようです。とても大切なコトを伝えてくれているのだけれど何だか楽しい気持ちにさせてくれるのが、この絵のステキなところですね。
橘悠也さん(4年)の絵には、不思議な存在感がありました。画用紙のサイズも小さいし、色合いも淡くまとめられているのに、僕たちの心をダイレクトに(しかもダイナミックに)揺さぶる何かを持っている絵でした。この絵の中には、『優秀賞』5作品の全てが持つ要素が含まれているのかもしれないな。そんな風に感じさせてくれる作品です。
『高学年の部』
『中学年の部』
『低学年の部』

審査を終えて
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今年は、今まで誰も経験したことのないような大きな災害続きの年となってしまいました。子供たちにとっては、精神的にも肉体的にもかなり窮屈に制限された生活を送らねばならない改善されぬ現状の中で、南相馬市をはじめとする県内各地の小学校から217作品もの応募があったとの知らせにまずは驚き、感動し、それら再生の力強さを秘めた創造的で独創性に富んだ作品群を目の当たりにするに至っては、ただただ感激するばかりで。「ふくしまは大丈夫だ!」そう実感させてくれる「目に見えるカタチ」が審査会場のフロアーいっぱいに並んでいたのでした。
色彩豊かな作品群は、僕に『輝く命』を連想させてくれました。ステキな作品に触れる機会を与えてくれた『ふくしま企画工房』の皆さんとコンクールに応募してくれた子供たちに、心からの「アリガトウ」を。
『みらいのまちを描こう ! 』というテーマのもと たくさんのちいさな絵描きさんたちの描く みらいのまち、ステキなまちが集まりました。
どの作品にも 希望や願い 想いがたくさんたくさん詰まっていて一つ一つの作品が光輝いています。
10年…20年 あるいはそれよりもっと未来の夢や希望に溢れる『みらいのふくしま』の姿に、今 皆さんの絵の中で出会えたことに たくさんの感謝をしています。

















